2023-09

ラーマクリシュナ

奈良康明「ラーマクリシュナ(人類の知的遺産53)」(4)

【解脱】…個我(ジーヴァ・アートマン)を束縛するマーヤーが消えると、純粋真我(ブラフマン)が現れる。このとき肉体感覚は失われ、世知世俗の念は乾いてしまう。三昧の状態においてブラフマンを見るとき、「私」は消え「在るものが在るだけ」となり、「あ...
ラーマクリシュナ

奈良康明「ラーマクリシュナ(人類の知的遺産53)」(3)

【神と人間】 人間の本性は純粋真我で、これは世界展開にかかわる三グナを含むが、それには左右されない。「アートマンには明知も無知もあるが、どちらの影響も受けない。空気の中で時折よい匂いがしたり悪い臭いがしたりするが、空気そのものとは無関係だ」...
ラーマクリシュナ

奈良康明「ラーマクリシュナ(人類の知的遺産53)」(2)

【有形・無形論争】 当時のインドで最も非難されたものの一つに「偶像崇拝」がある。R.M.ローイが率いる梵協会(ブラフマ・サマージュ)も偶像崇拝を峻拒している。無論、神は否定せず、無相無形のブラフマン「そのもの」に近づく道を説いているが、この...
ラーマクリシュナ

奈良康明「ラーマクリシュナ(人類の知的遺産53)」(1)

【インド神秘思想とその系譜】神秘体験という言葉はオカルト的心理状態と混同して用いられることが多い。しかし、神秘主義を本来的な意味である「絶対者との触れ合い」ととるなら、これはいかなる宗教にとっても中核をなすものに違いない。「神=最高実在=宇...